スカウトメッセージによるアトラクトについて

スカウトメッセージによるアトラクトについて

Clock Icon2023.12.09
こんにちわ。組織開発がミッションの人事グループ・組織開発室に所属しているてぃーびーです。
採用をする際、応募を待っているだけでは出会えない候補者さんがいます。
特に、現時点での転職意向が高いわけではない候補者さんは自発的に応募することはないため、企業からアクションをとる必要があります。一方で、各社即戦力の人材が欲しいケースは多いですし、特に採用競争が激しいITエンジニア採用においては欲しい人材の転職意向が高いとは限りません。
こういった場合、ダイレクト・リクルーティングとして企業から候補者さんにスカウトを実施することが必要となります。
前回はスカウトメッセージの構成についてまとめました。
今回はスカウトを行う際のスカウトメッセージのアトラクト要素についてまとめます。

採用におけるアトラクトとは?

アトラクトとは採用活動において候補者さんをひきつけることです。
それは相手が求めるものを提供できると伝えることです。

2種類のアトラクト要素

スカウトメッセージにおけるアトラクトメッセージには以下の2種類あります。
  • 共通のアトラクト要素
  • 候補者さんに合わせたアトラクト要素

共通のアトラクト要素

「共通のアトラクト要素」は候補者さんが何を求めているかとは関係なく、会社・部門・職務における共通の魅力を伝えることです。
例えば、
  • 事業の魅力
  • カルチャーの魅力
  • 人材の魅力
などです。
これらの魅力が候補者さんにとっても魅力的な要素であれば、アトラクトになります。
これらの中に、会社が持つ独自の魅力であるEVPがあるとなおよしです。
EVPに関しては以下を参照ください。

候補者さんに合わせたアトラクト要素

「候補者さんに合わせたアトラクト要素」は候補者さんが何を求めているかを踏まえて、それを満たしていることを伝えることです。
例えば、
  • 技術力が高い同僚と切磋琢磨しつつ、情報発信を通して社内外に広く貢献をしたい
という点を重視している候補者さんがいたとします。
この場合、
  • 候補者さんが応募する求人枠で一緒に働くことができる同僚のうち、特に技術力が高い同僚が面接に出席する
  • 候補者さんが応募する求人枠で一緒に働くことができる同僚のうち、特に技術力が高い同僚の発信やインタビュー記事を共有する
  • 候補者さんが応募する求人枠のチームによる情報発信の事例や、発信内容が社外のエンジニアやお客様の役にたった事例を共有する
などがあります。なお、情報を共有するときに具体的なストーリーとして語れる人がいるとなおよしです。
候補者さんに合わせたアトラクト要素を伝えるためには、候補者さんが何を求めているのかを事前に把握することが必要なため、スカウト媒体のプロフィールとして掲載されている希望条件に関する情報がまとまっていることが前提になります。SNSスカウトの場合は、候補者さんが公開レジュメを公開していて、そこに希望条件の情報があることが前提になります。

候補者さんごとのアトラクト要素の例

以下は、実際に私がもらったことのあるスカウトメッセージをもとにした「候補者さんごとのアトラクト要素」の例です。
※メッセージは原文のままではなく、加工しています。

前提 - てぃーびーの当時の転職軸

例1は前々職のウェブエンジニアから前職に人事・組織関係の仕事を求めて転職活動をしているときにもらったスカウト内容です。当時の転職軸は

  • 人が成長し、充実し、いきいきと働ける組織づくりに貢献したい。人の内発的な動機を大切にしている会社を選びたい
  • 組織の拡大に応じて組織周りを整備する役回りが欲しいが、そこをやる意欲やスキルがある担当が現状いない状態で、新たに求めている
  • エンジニアバックグラウンドの人間の要素が役立つ環境だとより大きく力になりやすい
      • テックカンパニー
      • 開発組織向けの人事
      • 人事領域の業務の自動化、効率化なども含む場合
      • エンジニア採用の改善

また、転職軸とは別に私の以下のような前提を踏まえてアウトプットをみてくださっている方々からのスカウトが多くありました。

  • 技術書典で2回書籍を頒布していた
  • 普段から個人ブログ等でのアウトプットを頻繁に行っていた
    • 当時ウェブエンジニアだったが、人事領域への転身に先立って人事・組織周辺のインプットからのブログ記事へのアウトプットを頻繁にしていた
  • 社外勉強会への参加や技術コミュニティへの参加をしていた

例2は前職でエンジニア採用経験を1年程度積んだあとにもらったスカウトです。このときは転職活動はしていませんでしたが、それを踏まえた上でのお声がけをいただきました。

例1 - 求める転職軸に一致していることをアピールしている例

てぃーびー様が転職エントリに書いていた以下の内容にマッチした環境だと考えています。
  • 社員の内発的な動機を大切にしている会社であること
  • 組織周りを改善していきたいが、率先して担当する意欲や知見のある人材が内部に不足していて、てぃーびー様に活躍いただく機会を提供できること

例2 - 求める機会の提供と能力への称賛や発信への感謝を組み合わせている例

てぃーびー様の発信内容について、ブログ/note/Speaker Deckなどについて興味深く拝見させていただきました。
弊社のエンジニアリングマネージャーとして、組織づくり、採用業務全般を担っていただけたら大変うれしいと考えております。
私がマネージャーとして大切に考えていることと、てぃーびー様の発信内容で重なると感じている部分がございます。
  1. 採用領域の専門知識
  2. 問題解決能力
  3. 周囲を巻き込む能力
発信内容から、これらの能力に優れた方だと思いましたし、私自身、てぃーびーさんのアウトプットを普段の業務の参考にさせていただいております。

まとめ

スカウトを行う際のスカウトメッセージのアトラクト要素についてまとめました。
個人にフォーカスしてカスタマイズしたメッセージはテンプレスカウトよりも時間がかかりますが、スカウトメッセージの中に占めるカスタマイズしたメッセージはそれほど分量が大きいわけではありません。魅力的な人材をスカウトしたいのなら、時間を惜しまずひと手間かけてカスタマイズしたメッセージを伝えるのがおすすめです。

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